初夏の庭園
2008年 06月 20日
旧安田楠雄邸は東京都から文化財指定を受けています。
そのカテゴリーは「名勝」。
名勝とは、なかなか難しい日本語ですが、
旧安田楠雄邸の場合は、その庭園がすばらしいということで
指定されています。
ただ、長年の年月により、設計当初やきちんと管理が行き届いて
いた時代から比べると、かなり荒廃が進んでいたのですが、
特別に修復前にもかかわらず文化財として指定していただきました。
庭園のカテゴリーの中でも、旧安田楠雄邸のお庭は、
いわゆる都市住宅庭園と言われるもので、
大名庭園や大財閥の庭園と比べると規模は小さいですが、
建物内を視点として鑑賞すると
とてもきれいで広がりを感じさせる演出が施されています。
東京には、天皇家に由来する庭園のほか、
後楽園(水戸藩)とか六本木ヒルズ(毛利藩)など大名に由来する
庭園はいくつか残っていますが、建物はあまり残っていません。
そういった意味では、旧安田楠雄邸の建物と庭園は
切っても切れない大切な関係が今に継承されている
近代の都市型屋敷の代表作だと言えます。
もちろん、現在ではこの規模の屋敷を都内に建設することも
庶民には到底夢の話しになりましたので、
現代の感覚からすると十分大邸宅だと言えますね。
by national_trust | 2008-06-20 16:25 | 旧安田楠雄邸